「危険だから絶対に辞めましょう」
個人輸入に対するAGAクリニックの見解です。
では、果たしてこれは本当なのか?
本日は”真実”に迫ります。
個人輸入を活用すると、月1,500~3,000円で済む
クリニックによってズレはありますが、某クリニックの料金を例に出すと、
フィナステリド:4,500円/月
ミノキシジル外用薬:15,000円/月
なので月に20,000弱って感じですな。
で、ビタミン剤とかも含めたセット販売だと更に高くなります。
(ビタミン剤なんか買う意味はあんまないですけどね。)
一方で、個人輸入を活用すれば、月1,500~3,000円程度で収まるかと。
(ミノキシジル外用薬の使用量によっては、もう少し高くなるかもだけど)
個人輸入と言うのは、言葉の通り「個人で海外のAGA治療薬を輸入する」ということで、個人輸入代行サイトを活用します。
※個人輸入代行サイトのリンクは広告と見なされる恐れがあり、そうなると法律違反になるのでここでは貼りません。
また、具体的な商品名も避けてご紹介させて頂きます。
ちなみに、僕自身もフィナステリドが有効性成分の薬と、ミノキシジルが有効成分の外用薬を個人輸入で購入でしてますし、ちゃんと効果が出てます。
AGAクリニックは認めるわけにはいかない
死活問題です。もし薄毛に悩む人が全員個人輸入を活用するようになったら、AGAクリニックは商売あがったり。
前回ご紹介したように、AGAクリニックは薬を売らないと儲かりません。
なので、「個人輸入は危ない!」みたいな発信をして、「クリニックで薬を買いましょう!」って言います。
そして、最終的には自分のクリニックに誘導します。
では、個人輸入は本当にリスクが大きいのか?
続いては、このリスクを深堀りしていきます。
個人輸入5つのリスク
よく言われる個人輸入の主なリスクは5つありますので、それぞれに対する僕の見解を述べます。
理由1:偽薬の可能性
「個人輸入の薬は偽薬の可能性があります」と良く耳にします。
では、なぜ偽薬の可能性があるなんて言えるのか?
これを説明する時に、
「前にEDの海外治療薬を調べた時、半分が偽薬だったんですよ」
というのが具体例としてよく使われます。
で、↑は「偽造医薬品問題の現状と対策について 医薬食品局監視指導 医薬食品局監視指導 麻薬対策課」から引用したものですが、事実、そういった調査がありました。
でも、よく見て欲しいんですが、調査をされたのは2006年と2009年なんですよ。
…古くね?
2009年の時代って、勿論ネットショッピングはありましたが、今みたいにAmazonとか使ってないじゃないですか。スマホも普及してませんよ。
そして、サービスやデバイスが普及してないということは、同時にそれに関する規制も緩いということで、
「その時代のリサーチを前面に押し出されても…」
と僕は思ってしまいます。
更に言えば、「ED薬」のリサーチ結果が、「AGA治療薬」にも当てはまる訳ではないですしね。
個人輸入という括りは一緒ですが、時代も薬も違います。
また、最近では多くの個人輸入代行サイトが、薬の成分鑑定をしています。
たとえば、個人輸入代行サイト「I」ならこんな感じ↓
勿論、この成分鑑定を「どれくらいの数」「どれくらいの周期」でやっているかなどの懸念点はあるにしても、昔に比べればまだ安心感はあるんじゃないかなーとは思ってます。
※「昔に比べれば安心」と思うだけで、「絶対に安心」と言ってるわけではありません。
偽薬のリスクの高低は分かりませんが、0でないのは事実です
理由2:効果を実感し辛い
クリニックの場合だと、患者に定期的に来院してもらって、写真を撮影。
そのデータを蓄積することで、AGA治療の効果の有無を調べてくれます。
実際に、僕もAGAスキンクリニックに行った時は、マイクロスコープで頭皮の状態を見せてくれました。
こんな感じです↓
2回目は行ってないので分かりませんが、次以降も多分こんな感じで調べてくれるんだと思います。
(オンライン完結のクリニックは分かりません。)
ただ、ぶっちゃけ僕としては、「自分で毎月写真撮れば良くない?」って思ってます。
例えば、こちらの写真↓
これ見れば、効果の有無は一目瞭然ですよね。
僕はM字や頭頂部を様々な角度から毎月写真を撮っていますが、現状ではこれで問題を感じてません。
(勿論、クリニックでの方が正確性は高いと思いますけどね)
※なので、もしあなたが個人輸入で治療をするなら、絶対に写真を撮って経過観察をしましょう
理由3:健康問題の可能性
まず前提として、個人輸入代行サイトでのフィナステリドやミノキシジルは厚生労働省が認可していない薬です。
なので、これらの薬で何か副作用を感じた場合、それは完全に自己責任となります。
で、ぶっちゃけクリニックだろうと個人輸入だろうと、同じ有効成分なので副作用が出る時は出るんですよ。
ただ個人輸入の場合だと、「薄毛を治したい」というコンプレックスから、多少の副作用は無視してでも治療を継続する人が絶対いるんですよね。
でも、それによって副作用が大きくなってしまっても、誰も責任を取ってくれません。
なので、この理由3は個人輸入を利用するなら凄く大切な部分です
一応僕の場合は、副作用のリスクを減らすために、まずは低濃度から治療をしていますし、副作用を感じた場合はすぐに病院に行ったり、検査をしています。
年に1回の健康診断だけでなく、フィナステリドの副作用で”性欲減退”を感じた時は精液検査もしました。
今後もこういったリスク管理は継続していきますし、仮に重たい副作用を感じた場合は、一旦治療を停止して様子見をするつもりです。
なので、もしあなたが個人輸入を選択をするなら、副作用を決して軽視せず、出来るだけリスクヘッジをしていきましょう。
髪の毛も大事ですが、それで健康を損なったら元も子もありません。
理由4:安いには安い理由がある
「安いということは、質が悪いなどの安いなりの理由がある!」という理由です。
まあ僕からすると、「クリニックが高いのも高いなりの理由があるだろ」と思ってしまうのですが…
まあでも、これだけ大きな価格差があると、確かに「危ないんじゃないか…?」とは気になりますよね。
では、何故ここまで安く購入できるのか?
例えば僕が服用してるフィナステリド錠はインドの薬なんですが、何故日本のクリニックより80%以上も安いのか?
これは特許制度の違いが大きいです。
ジェネリック大国インドは「発展途上国の薬局」
ジェネリック医薬品の「普及率」は欧米が凄く高いんですが、実は「製造量・輸出量」という点で見ればインドこそがジェネリック大国。
現状では、世界で最もジェネリック医薬品を輸出している国です。
では、何故インドがジェネリック大国になることが出来たのか?
それは独自の特許法制度が関係してます。
そもそも特許制度というのは国の法律の一部で、それぞれの国家が主権に基づいて独自に制定する制度なので、国により特許制度が異なるんですね。
そして、欧米各国や日本は医薬品については製造方法と含有成分を特許として認めており、特許出願から最大25年間特許を有効としています。
仮にすぐ他社にパクられてしまったら、多大なコストを払って新薬開発する旨味がなくなりますからね。
なので、ある程度長期の独占販売を許可することで、新薬の開発意欲を損なわないようにしてます。
そして、以下4種類が医薬品の特許です。(覚える必要はありません。「そんな感じで分類されてるのか~」程度でOK)
物質特許:新規化合物そのものに付与される特許。
製造方法が異なっても物質が同じであれば、特許の権利が及びます。
製法特許:化合物の製造方法に付与される特許。
物質が同じでも製造方法が異なっていれば、特許の権利は及びません。
用途特許:化合物の新しい用途についての特許。
すでに公知である用途等、特許以外の用途に用いたときは、特許の権利は及びません。
製剤特許:製剤の処方内容の特許。
添加する物質に特徴があるとき特許となり得ます。
で、実はインドでは医薬品については「物質特許」を認めないという1970年特許法が成立。
つまり、先進国の製薬会社が開発した薬の有効成分を独自の製法で製造すれば、インド国内では合法的に医薬品製造をすることが出来ました。
ただ、当然ですが、これは先進国の製薬業界からするとたまったもんじゃありません。
故に問題視され、1995年にWTO(世界貿易機関)が設立された際には、設立当初から加盟しているインドに
「10年の猶予を与えるからこれを何とかしろ!」
って指令が下りました。
(WTO加盟国は、WTOが定める特許などの協定を順守する必要があるので)
そして、10年後の2005年に法改正。
インドでも医薬品に物質特許が導入されることに。
ただ、実はこの特質特許には先進国とは違った部分がありまして、「現在知られていない全く新しい物質を発見した場合のみ物質特許とする」ということで法改正が行われました。
なので、物質特許が導入されましたが、先進国の製薬会社はインド国内で物質特許が取得できてないのが現状です。
じゃあ、何でここまで物質特許を認めない方向なのかと言うと、14億人以上の人口を抱えるインドでは
「先進国の製薬会社が作る高価な医薬品に頼らず、低所得者層でも医薬品を手にできるような体制を整える必要がある」
というのが背景にあります。
そしてアフリカなどの発展途上国も同様に先進国の製薬会社からの購入は難しいので、インドで作られた格安のジェネリックに頼っているのが現状。
もし仮にインドの製薬会社が開発・生産をストップしたら、「薬はあるけど高くて買えずに、多くの人が死ぬ」という事態になります。
実際に”国境なき医師団”も、インドのジェネリックを使って発展途上国の医療支援を行っているので、「インドのジェネリック=悪」と断じて強制取り締まりをするのは、結構難しいんですよね。
「企業の利益のために、救える命を見捨てるのか!」
って反発もあり、一方で製薬会社からすればルールの中で利益を上げるために企業努力をしているわけで、何とも難しい問題です…
尚、僕が利用してるフィナステリド錠を開発したシプラ社は、インドで2位の市場シェアを誇る大手製薬会社です。
1935年に設立されてから「抗がん剤」「HIV治療薬」など1,500種類以上の治療薬を開発し、欧米など世界中150か国以上で販売実績があります。
理由5:個人輸入は違法である
「個人輸入は違法性がある!」という意見もあるようですが、これは完全にNO。
厚生労働省によれば、「個人の使用に限れば問題ない」とのことです。
ただ、一方で「個人輸入した商品を転売する」「個人輸入の薬をアフィリエイトする」などは違法です。
なので、メルカリで出品してる方はアウト。
一部の個人輸入代行サイトでは、フィナステリドやミノキシジルなどをアフィリエイトすることも出来ますが、これもアウトです。
(知らずにやってる情報発信者が多いですが、グレーではなく完全に黒です)
また、厚生労働省のサイトには、個人輸入を利用する際のリスクもしっかり説明されていますので、個人輸入を利用する際は必ず目を通しておきましょう。
「個人輸入利用してる人多いし、問題ないでしょ!」って楽観視したせいで、いつか重大な問題が起きてしまう。
こんなのバカらしいですからね。
リスク管理は最重要です。
僕は個人輸入の使用を推奨しない
というわけで、今回の内容をまとめるとこちら↓
・個人輸入を活用すれば格安で薄毛治療できる
・でも、個人輸入にはリスクがある
・リスクを0にすることはできない
・インドのジェネリックが安いのには理由がある
そして一番大事なのは、個人輸入の利用は全て自己責任という点です。
偽薬の可能性はあるし、パッケージ記載量の成分が入ってない可能性もあります。
もしかすると過剰に成分が入ってる可能性もあるし、衛生管理が整ってない環境で製造されてる可能性だってあります。
なので、僕は自己責任で活用してますし、あなたに個人輸入を推奨することもありません。
あくまで僕がするのは、「こういった格安の方法がありますよー」って情報を紹介するだけ。もし利用する際は、自己責任でお願いいたします。
また、もし仮に僕に十分な金銭的余裕があるのなら、当然ですがクリニックで薬を買います。
そっちの方が精神的に安心なのは間違いないですからね。(実際に効果が変わるかは別として)
なので、「クリニックの薬は高いから、クリニックが悪い」というわけでもないので、ご自身に合った治療方法をお選びください。
また、もしこれからAGA治療を始めるなら、必ず一度はAGAクリニックに行ってカウンセリングを受けましょう。
前回の話でAGAクリニックに不信感があるかもですが、AGAでない人がAGA治療薬を飲んでも意味はありません。
それに、AGA治療薬には副作用のリスクもあります。
素人が自己判断で開始するのは危険なので、まずはAGAクリニックに行きましょう。
僕みたいにAGAスキンクリニックでも良いし、他のクリニックでもOKです
【余談】今川先生のご意見
なお、最後に余談ですが、ヨコ美クリニックの今川先生の個人輸入に対する意見をご紹介します。
回答1
私は個人輸入でも大差はないと思います。
某クリニックの言い分に従うと誰が得をするのかを考えて下さい。得をする立場からの主張には説得力がありません。
そのクリニックも個人輸入を大掛かりに行っているにすぎません。
おっしゃるように個人輸入でも処方でも副作用のリスクは同じですし、万一の時はそのクリニックが全責任をもって対処してくれるわけでもないと思います。
回答2
内容に大差はないと思います。
AGAクリニックのビジネスは“薬九層倍”で成り立っているようです。
処方される方は医師を通して購入するので安心というイメージがあるかと思いますが、費用の高さはその安心度だとしてもそこで働く医師の多くは頭髪治療の門外漢です。
ということで、今回の記事はこんなところですかね。
また明日お会いしましょう。
【追伸】
明日は「更に安く治療をするためのコツ」をご紹介します。
意外と知らない人が多いんですが、非常に勿体ないんですよねぇ
お楽しみに!