ーーパーティー会場にてーー
騒がしい所にいても、自分を呼ぶ声には気付いた経験がありませんか?
実はこれ『カクテルパーティー効果(現象)』と呼ばれる脳の働きで、難しい言葉でいうと『選択的注意』ってやつです。
そして、カクテルパーティ効果は脳の現象。つまり「無意識」です。
なのでこれを意図的に利用すれば、相手に気づかれずに行動を誘導することが出来ます!
そこで今回は、「カクテルパーティ効果」についての解説だけだと単調なので、併せて「広告に使われるカクテルパーティ効果」の解説もしていきます。
広告での使われ方を勉強することで、人の関心を惹く方法を学びましょう!
ちなみに今回は論文も参考にしているので、参考論文もご紹介しておきます↓
カクテルパーティー効果とは?
カクテルパーティー効果とは、音声の選択的聴取のことで、選択的注意の代表例である。
1953年に心理学者のコリン・チェリーが提唱。カクテルパーティー現象ともいう。
引用元:wikipedia
よく分からないので簡単に説明します。
まず前提として、脳は全ての音を拾っていません。
結婚式・忘年会のような沢山の音が飛び交う場所にいる時、脳は重要だと思う情報を優先的に拾っています。
そして、ここでの重要な情報は以下2つです
- 自分に関すること(名前など)
- 興味のあるキーワード(出身地、趣味など)
ーー賑やかな忘年会ーー
このように、賑やかな場所でも会話が出来ていますよね?
でも実は、この忘年会の音声を録音して聞き返すと、この会話を認識できないんです。(うるさすぎて)
さっきの忘年会のシーンでは、相手と会話をしていますよね。
つまり、「興味がある」と脳が判断しているので、その人の声を優先的に耳に入れてくれています。
賑やかな場所にいても、音の取捨選択が無意識に行われている。
これがカクテルパーティー効果です!
カクテルパーティー効果の具体例
忘年会の話でイメージがついたと思いますが、もう2つほど具体例を載せておきます。
具体例:電車
電車に乗っていると、ついウトウト・・・
でも自分の最寄り駅になると「パッ!」と起きれますよね
自分の最寄り駅=重要なキーワード
なので、寝ていても脳はこの音を察知してくれます!
ちなみに僕は、駅名にはカクテルパーティー効果が全く働かず、2時間寝過ごした経験もあります。。。(笑)
具体例:音楽
音楽経験者によくあるんですが、自分が経験した楽器の音がよく耳に入ります。
例えばオーケストラの演奏。
複数の楽器がそれぞれ別のメロディを奏でている時にも、特定の楽器のメロディだけを追って聞くことができます!
また、好きなミュージシャンの声もそうです。
僕の場合はmichael jacksonが大好きなので、「We Are The World」を聞いていても彼の声はめちゃくちゃハッキリと聞こえます(笑)
カクテルパーティー効果が起こる理由
音の認識は確かに耳が行います。つまり、聴力が必要。
ですが、それを「意味の理解」まで持っていくのは脳の働きです。
- 耳➡空気の振動で音を認識
- 脳➡音が伝わり意味の認識
ホントだったら脳も全ての音を受け入れたいです。
ですが、脳にはそれが出来ない理由があって、そもそも「エネルギー量」が足らないんです。
脳が使える一日のエネルギー量は決まっているので、すべての音を処理するとパンクします。
なので取捨選択することでエネルギー消費を抑えています。
カフェで読書をしようと思った時、仮に↓の音が聞こえたらどうでしょうか?
- キーボードタッチ
- ページをめくる音
- ペンで文字を書く音
- 紙がこすれる音
- 時計の音
- 足音
- 車の音
- くしゃみの音
- 呼吸音
- etc・・・
おそらく全く集中できないですよね。。
カクテルパーティー効果があるから、我々は日常を満足に過ごすことが出来ています。
ちなみに、脳のエネルギー量について詳しく知りたかったらメンタリストDaiGoさんの「自分を操る超集中力」がおすすめです。
- 少ない時間でテストの成績を上げたい
- 午後になると落ちる集中力をどうにかしたい
- 気が散るのを減らしたい
- 脳のエネルギー量を増やす/節約したい
こんな方には、かなり為になるので読んでみて下さい!
カクテルパーティー効果と発達障害
発達障害を抱える方には、カクテルパーティー効果があまり働かないケースがあります。
まず、発達障害は大きく3種類に分けることが出来ます。
(画像引用:熊本・札幌・新潟の児童発達支援・放課後等デイサービスそらひろ)
そして、発達障害者の中でも特に自閉症スペクトラム障害(ASD)に該当する方は聴覚過敏が強い傾向があります。
聴覚過敏
つまり、聴覚が敏感なので色々な音を拾ってしまうんですね。
結果、音の取捨選択がうまく出来ません。
昔に比べると発達障害の認知度も高まってきましたが、まだまだご存じない方も多いです。
聴覚過敏の方の体験記と詳しい分析が書かれている記事を見つけたので、よかったら見てみて下さい
→【外部リンク】聴覚情報処理障害とは?
広告のキャッチコピー
最後に広告でカクテルパーティー効果を利用する方法をご紹介します。
まずおさらいですが、脳は情報の取捨選択を行いますよね。
つまり、自分に必要な情報を我々に認識させます。
これは言い換えると、必要でない情報は認識されないってことです
なので広告を出すときも、カクテルパーティー効果を意識しないと、そもそも広告を無視されてしまいます。
例をだします。
どれが一番人を惹きつけるでしょうか?
- ダイエットグッズ
- 体重を落とした人必見!ダイエットグッズ
- 体重を5キロ落としたい人必見!ダイエットグッズ
- 夏までに体重を5キロ落としたい人必見!ダイエットグッズ
答えは簡単「4」です。
対象を細かく限定することで
- 既に購入意欲の高い人
- 痩せたいという潜在的欲求を持っている人
を惹きつけることが出来ます。
これは恋愛などにも使えます!
気になる人が「クラシック音楽」が好きなら、あえてその人が聞こえるようにその話題を出す、とかですね。
まずは相手からの興味・関心を惹きつける必要があります。
カクテルパーティー効果を意識して言葉を選ぶことで、結果的には相手の行動を誘導することが出来ます。
先ほどの広告なら
- まずは広告に興味を持たせる
- 次に購入させる
ですね。
是非、あなたもカクテルパーティー効果を意識して使ってみて下さい!
以上、「カクテルパーティー効果を具体例を交えて解説!無意識を操る誘導術」でした!
人気記事【ヘドニック・トレッドミル現象】「お金」や「ブランド」で幸福は掴めないってご存知ですか?